長崎偉人伝 澤山精八郎

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長崎偉人伝 澤山精八郎

長崎からアジアを変えた男 

藤本健太郎 著

 

長崎に凄い男がいた……幕末、大村藩士の長男に

生まれた彼は、新しい時代に必要な英語力を身に

着け、誠実さとバイタリティで幾多の困難を乗り

越えた。まさしくゼロの状態から日本有数の大商

人となり、明治から今に続く百年企業を作った。

 

百年前の澤山精八郎の提言(口語訳):長崎が繁栄していた昔のことをいつまでも懐かしんでいるだけではダメだ。この町には更に発展できる潜在力があることを確信しよう!心すべきは「求めれば得られる。叩けば戸が開かれる」なんだ。

さあ。ポジティブに考えようではないか!

 

<もくじ>

  1. 波止場の出世松
  2. 広運館を経て英語通弁係となる
  3. 一念発起して函館へ
  4. 石炭販売と船舶給水で名をはせる
  5. 海運業でアジアを雄飛する
  6. 地方行政で活躍と政界進出
  7. 上海航路周航と有明線敷設
  8. 求めて得られざるなく、叩いて開かれざるなき

 

定価 (本体1800円+税)

四六判並製 286頁

ISBN978-4-88851-414-9

C0023

 

<出版社より>

この人のことを思うと“出世”という言葉を改めて実感します。

ゼロの境遇からスタートして今に続く百年企業を作った人物だからです。

文明開化の激動期、大村のサムライの子、澤山精八郎は勉学して逸早く英語力を身に付け、視野を広め、己の可能性を信じて積極果敢に事業を興し、そして大商人となって人々に尽くしました。

彼が手がけた事業を挙げると、船舶給水・石炭輸出・トロール漁業・缶詰製造・製鉄・製氷・電力・銀行・鉄道などに及びます。まさに八面六臂に活躍した実業家です。また彼は慈善家でもありました。水飢饉の時には膨大な量の飲料水を無償供与して市民を救い、米価高騰の折や関東大震災に際しては多額の見舞金を贈り、更に長年の日仏親善に対する功績でフランス政府から最高位のレジオンドヌール勲章も授与されています。

澤山家には「如何に苦しくとも 借金すべからず」という家訓があります。経営者として歯を食いしばって逆風に立ち向かい続け、そして乗り越えてきた精八郎の金言です。

そして昭和2(1927)年の正月、彼が当時の長崎新聞に「長崎港発展策」と題して長崎市民へ向けて寄稿した一文があります。そこには現代の言葉で次のようなことが書いてあります。

「長崎が繁栄していた昔を懐かしんでいるだけではダメだ。この町には更に発展できる潜在力をあることを確信しよう。心すべきは“求めれば得られる、叩けば戸が開かれる”ということだ。さあ、ポジティブに考え行動しようではないか!」とても百年前の提言とは思えませんね。まさに気持ちを押される普遍性のある言葉です。

本書は、とりわけ若い世代へのメッセージです。長崎のそして全国の若者が“澤山精八郎”スピリットに触れ、感化されることを期待します。

著者は大学教員で近代史研究者の藤本健太郎氏、前作『偉人伝 松田源五郎』に続く魂の労作です。